夜行バスはエコノミー症候群になりやすい!対処法を紹介!

夜行バスは夜から翌日の朝まで乗車し移動するため、エコノミー症候群には十分注意が必要です。バスを利用する前に、しっかり対策を立てておきましょう。 今回はエコノミー症候群の症状や原因、夜行バスに乗車する際の注意点を詳しく紹介していきます。


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エコノミー症候群とは?

簡単に説明すると、「エコノミー症候群」とは、下肢が圧迫されて血の巡りが悪くなり、血管のなかに血栓ができて、肺で詰まる病気です。

エコノミー症候群は、長時間座り続けることで起こりやすくなります。名前のとおり、座席が狭い飛行機のエコノミークラスを利用する乗客に発症者が多いことで知られていて、別名「旅行者症候群」、「ロングフライト血栓症」とも呼ばれています。

飛行機と同様に、夜行バスでもエコノミー症候群の発症リスクがあるため注意しましょう。

エコノミー症候群には、深部静脈血栓症肺動脈血栓塞栓症のふたつの症状があります。

同じ姿勢で長時間座っていると、まず足やふくらはぎ、太ももなどが圧迫されてうっ血し、足の静脈の中に血栓ができます。この症状が、「深部静脈血栓症」と呼ばれています。

血管にできた血栓が剥がれると、血液の循環によって血栓は全身を巡ります。そして細い肺の血管に入り込んで詰まってしまうと、「肺動脈血栓塞栓症」が引き起こされます。

エコノミー症候群にはさまざまな症状があり、重篤度によって3つの段階に分かれています。

■軽い症状
膝の裏・ふくらはぎに鈍い痛みや腫れが出る
下肢に血栓が生じた状態

■少し重い症状
小さな血栓が成長し、下肢に強い痛みやむくみが出る
血栓が大腿部や骨盤内部深部静脈にでき、塞いでいる可能性がある

■重い症状
呼吸困難や胸痛、不安感が生じ、最悪の場合は血圧の急低下や失神、意識障害が起きる
下肢の血管壁からはがれた血栓が大静脈を移動し、肺の血管が詰まった状態

エコノミー症候群の症状は個人差が大きく、夜行バスの乗車中に発症する人もいれば、降車後1週間たってから症状が出るケースもあるため、さまざまです。夜行バスに乗る際は、エコノミー症候群に陥らないよう、あらかじめ対策をとっておくようにしましょう。

夜行バスでエコノミー症候群になってしまう原因

ここでは、夜行バスでエコノミー症候群が起こりやすい原因を解説していきます。

原因を理解することで、対策を打つことが可能です。エコノミー症候群は意外と身近な病気で、長期間の避難生活やデスクワーク中も発症リスクがあるため注意してください。

同じ体勢をとっている

エコノミー症候群を引き起こす最大の原因は、長時間同じ姿勢でいることです。病院での寝たきり、車中生活でも発症する可能性があります。

夜行バスは夜間交通量が少ない時間を狙って長距離を移動するため、座ったままの時間が長く、足を動かす機会がありません。路線バスや車での移動よりもエコノミー症候群を発症しやすいため、特段の注意が必要です。

水分不足

水分不足も、エコノミー症候群を引き起こす原因のひとつです。

体内の水分が不足すると、血液濃度が上昇します。血がドロドロになると流れにくくなり、血栓ができるリスクが高くなることがあるため、注意しましょう。

夜行バス内部は空調のために乾燥しており、長時間運行で飲み物を摂取する機会も少ない傾向があります。そのため、脱水症状が起こりやすい状態になってしまう場合があります。長時間の水分不足は命の危機にも関わってくるので、乗車前にしっかり対策をしてください。

夜行バスでエコノミー症候群にならないための対策

夜行バスに乗車する際にしておくべき、エコノミー症候群にならないための対策を紹介していきましょう。

血栓の発生は、ちょっとした工夫で防ぐことが可能です。誰でも簡単に取り組めるため、発症を防ぐためにぜひ活用してください。

こまめに水分補給をする

夜行バスに乗る際は、こまめに水分補給を心掛けることが大切です。脱水状態になるとそれだけ血栓を招いてしまうリスクがあるため、水分補給で血液濃度の上昇を防ぎましょう。

エコノミー症候群を防ぐポイントは、何回かに分けて継続的に水分補給を続けることです。一度にたくさんの水を飲むと、トイレに行くのが早くなって、逆に水分が排出されてしまいます。

また、体が冷えてトイレに行きたくなることもあるため、過剰に冷えた飲み物は控えましょう。

コーヒーなどのカフェインを多量に含む飲み物、アルコール飲料は利尿作用があるため、避けたほうが無難です。常温のミネラルウォーターやノンカフェインの飲み物で、こまめな水分補給をしてください。

休憩時に軽く体を動かす

血栓の発生を防ぐために、バスのトイレ休憩などを利用して、積極的に体を動かすことをおすすめします。

トイレ休憩で夜行バスがサービスエリアに停車したらそのまま車内で過ごすのではなく、車外に出て体を動かすと良いでしょう。外のフレッシュな空気を吸い込み深呼吸をすると、血流が促進する効果も期待できるので、試してみてください。

足を折り曲げた状態で長時間動かさないのは、好ましくありません。車内でトイレに行くために軽く歩く程度でも充分な効果が期待できるため、トイレは我慢せず、積極的に立ち上がって足を動かしましょう。

自席で足をマッサージする

立ち上がって足を動かすのは一番の対策ではあるものの、マッサージも血行の停滞を防ぐのに有効です。座ったままでも充分な効果があるといわれているので、マッサージをそのつど行うようにし、発症を防ぎましょう。

血栓予防におすすめなのは、次のマッサージです。まわりに迷惑をかけることなく、誰でも簡単にできるため、ぜひ乗車中に取り入れてください。

・足首を回す
・かかとを床につけて、つま先を引き上げる
・座ったまま、かかとを上げ下げする
・足の指をグーパーする
・ふくらはぎを手で揉みこむ

市販のマッサージローラーを活用するのもおすすめです。車内の持ち込み荷物に入れておき、ふくらはぎに当てて、コロコロと動かしてマッサージをしましょう。

楽な靴を用意

夜行バスに乗る際に楽な靴を用意しておくのも、エコノミー症候群の予防に有効です。車内用のサンダル・スリッパなどを持参して、乗車中に履き替えて使いましょう。

携帯用の折りたたみスリッパのほか、100均ショップでも不織布を使った旅行用スリッパが市販されています。足の指をゆったり開ける、楽な靴を選ぶと良いでしょう。靴を脱ぐと足下が冷えるため、厚手の靴下も忘れずに持参してください。

靴だけでなく、夜行バスに乗車する際は、ゆったりとした服を選ぶことも大切です。締め付けのきつい下着は避けましょう。ウェストにベルトを使う洋服の場合は、乗車したら緩めておくことをおすすめします。

着圧ソックス

下肢の血行促進に、着圧ソックスを活用するのも選択肢のひとつです。

下半身は重力の影響で、日頃から血行が滞りがちです。足首やふくらはぎ、太ももなどに適度な圧を加える着圧タイプの靴下を履くと、血の巡りがスムーズになり、血栓を防ぐ効果が期待できます。

着圧ソックスは、足のむくみ対策にもおすすめです。寝るときに履ける商品もあり、100均ショップでも気軽に購入できるので、ぜひ活用してください。

ただしサイズがあわない着圧ソックスでは、良い効果は得られません。履きっぱなしを推奨していない商品もあるので、必ず使用前に取扱説明書を確認して、メーカーの指示に従って使用しましょう。

まとめ

夜行バスに乗って長時間を移動する際は、エコノミー症候群の発症リスクがあるため、万全に対策をしておきましょう。

エコノミー症候群にならないためには、車内の過ごし方を工夫すれば防ぐことが可能です。きちんと対策をすれば安心して、夜行バスを快適に過ごすことができるでしょう。