夜行バスに乗るならどんな方法がある?格安で予約できる方法

長距離の移動はお金がかかるのが悩みの種です。夜行バスは、飛行機や鉄道といった交通機関と比べて格安ですが、もっと節約できたらうれしいでしょう。どうすれば夜行バスの運賃が格安になるのか紹介します。


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格安の夜行バスを利用する

道路運送法の第9条 により、バスの運賃は「適正な原価に適正な利潤を加えたもの」であり、国土交通大臣の認可を受けなければいけません。国土交通大臣から認可を受けた運賃を上限として、その80%までの間で実際の運賃を設定できます。例えば、上限が5,000円で認可を受けたとしたら、運賃は4,000~5,000円です。

ただし、原価の設定にはいくつかのパターンがあります。原価に含まれるのは人件費や車両費、燃料代、保険料、管理費などですが、このうち車両費と保険料はバスによってまちまちです。設備や乗客数などで変動します。

そのため、多くのバス会社ではひとつの路線で複数のパターンを届け出ており、より幅広い運賃の設定が可能です。その結果、運行に使われる車両によって夜行バスの運賃は大きく異なります。

一度に多くの乗客が利用できる4列シートのバスは安めです。トイレが付いていないなど、設備もシンプルであれば、車両費も安くなるので、より安くできるでしょう。さらに夜行バスは高速道路の料金が割引になるため、日中に運行されるよりも安くできます。

逆に乗客が限られる2列や3列シートのバスは高めです。設備が豪華であれば車両費も高いですから、運賃は高くなるでしょう。

もうひとつ、運賃に影響するのが競合他社の存在です。少しでも安くしないと客を奪われてしまう可能性が高まります。運行に使われる車両に違いが無ければ、別の原価や利潤(収益)を削らなければいけません。

ただし、削るのも限界があるため、あえて豪華な車両を使って他社と差別化を図り、乗客の奪い合いを避けるという方法もあります。

利用したい区間で、複数のバス会社が競合しているのであれば、より目的に応じた夜行バスを選べるでしょう。もちろん、その中には格安の夜行バスもあるはずです。

最近では、「レベニュー・マネジメント」を導入して、より柔軟な運賃設定ができるバス会社が増えています。飛行機や宿泊施設で多用されており、データに基づいて需要を予測し、最大限の収益を得られるように価格が随時変動する手法です。

レベニュー・マネジメントを導入しているバス会社なら、予約のタイミングによって格安な運賃を狙えるでしょう。

夜行バスの割引を利用する

夜行バスの中には、条件を満たすと運賃が割引になる制度があります。往路と復路を同時に予約すると適用される「往復割引」が良く知られていますが、ほかにどのような割引があるのか見てみましょう。

学割

学生を対象にした割引です。高校生や大学生、大学院生、専門学校生はもちろん、社会人であっても働きながら学校に通っているなら、利用できる可能性があります。ただし、バス会社によっては対象にならない学校もあるので、事前に確認しましょう。

割引されるのは、数百円だったり、一定のパーセンテージだったりするなど、バス会社によってまちまちです。それでも通常料金より常に安いというメリットがあります。

注意点としては、申し込み時に学生であることを証明する手段が無いので、乗車時に学生証が必要です。万が一、忘れてしまうと通常料金が適用されてしまいます。

また、ほとんどのバス会社において、ほかの割引とは併用できません。ほかの割引を適用したほうが安くなる場合もあるので、申し込み時に比較しましょう。

シニア割

高齢の乗客=シニア層を対象にした割引です。実施しているバス会社はそれほど多くありませんが、条件を満たしているなら利用しましょう。

対象年齢は55歳、60歳、65歳以上など、バス会社によって異なります。学割と同じく、乗車時に年齢を証明するもの(運転免許証やパスポート、健康保険証など)が必要になるので、忘れずに持参しましょう。

オンライン限定割引

窓口や電話ではなく、オンラインでの購入に限定して適用される割引です。通常料金から数%ほど割引になります。ただし支払い方法は、コンビニ決済や当日の支払いといった後払いではなく、クレジットカードによる先払いに限定していることがほとんどです。

座席限定だったり、空席が多いときに不定期で適用されたりする割引もあります。そのような条件下では、予約の変更ができない場合もあるので、事前に確認しましょう。予約を変更できないと、万が一利用できなくなったときは取り消すしかありません。違約金を請求される恐れもあります。

早割

早期の予約に適用される割引です。バス会社によって期限はまちまちですが、21日前(3週間前)、14日前(2週間前)、7日前(1週間前)などの設定があり、前日の予約まで適用するところもあります。より早期の予約ほど、割引額も大きくなるのが一般的です。

オンライン割引と同じく、バス会社によっては予約を変更できない場合があります。予定が変わりやすいなら、あまり早期の予約は控えたほうが良いでしょう。

直前割

早割とは逆に、前日や当日など、直前の予約に対して適用される割引です。先ほどのレベニュー・マネジメントでも、座席の売れ行きによって、直前に運賃が安くなる場合があります。

こうした直前の割引は、急な用事で夜行バスを利用しなければいけないときに、適用できるかもしれません。ただし、空席があるなど、条件を満たすときしか設定されないので、常に利用できると期待しないほうが良いでしょう。

期間限定割引

特定の曜日や期間に限定した割引です。主に平日や閑散期に適用されます。半額など、かなり大きな割引が期待できるため、とにかく運賃を安くしたいときは狙い目です。

常に行っているバス会社もある一方で、予告無しに突然実施するところもあります。こまめにバス会社のWebサイトをチェックしましょう。席数が限定されていると、早い者勝ちです。

会員割引

バス会社の会員になると適用されます。年会費を払って会員になったり、メルマガの会員になったりするなどです。バス会社によっては、ほかの条件に関係なく、いつでも割引が適用されます。

ただし、年会費を払う場合は、複数回利用しないと元が取れません。会員割引の中には利用回数によって割引率が上昇するところもあります。自分がそのバス会社をどれくらい利用するか考えた上で会員になりましょう。

夜行バスの予約サイトで比較する

ひとつの区間で複数のバス会社が競合して、それぞれが独自に運賃を設定していると、その中から格安の夜行バスを探すのは大変です。

それぞれのバス会社のWebサイトを見て比較し、選ぶとなれば手間がかかりますし、本当に格安な運賃を見落とす恐れもあります。

そこでおすすめしたいのが「バスブックマーク」です。

トップページで利用したいバスの区間や乗車日を設定して検索すると、その日の最安値や、月ごとの最安値が表示されます。その下には該当するバスの一覧が表示され、詳細の確認ができるだけでなく、予約も可能です。検索の際には、シートの列数や設備、女性専用などの条件で絞り込みできます。

これなら、複数のバス会社のWebサイトを比較しなくても、そのときに最も格安な夜行バスを簡単に予約できるでしょう。できるだけ交通費を抑えたいときは、利用したいところです。

なお、表示される運賃は通常のもので、割引については各バス会社での確認が必要となります。割引を適用する場合は、バスブックマークではなく、バス会社で予約しなければいけません。

まとめ

夜行バスの運賃は、競合するバス会社の数や、運行に使われるバス、見込まれる需要などで変化します。4列シートで設備が最低限のバスなら格安です。条件に当てはまるなら、割引を利用すると、もっと安くできるでしょう。