夜行バス・高速バスに子供を乗せても大丈夫!乗客の注意点を紹介

家族で夜行バスを利用したいときは、子供も乗車できるか気になるところです。乗車できたとしても、ほかの乗客に迷惑をかけるかもしれません。問題なく乗車するには、どうすれば良いのか、夜行バスの選び方や注意点を紹介します。


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夜行バス・高速バスの乗車は基本的に何歳でもOK

ほとんどの高速バスでは、基本的に年齢を問わず乗車が可能です。ただし、夜行バスに限っていえば、乳幼児や入学前の子供の乗車をNGとするところもあります。なぜなら、体に負担がかかったり、夜泣きでほかの乗客に迷惑がかかったりする恐れがあるからです。

ほかにも、大人が乗車するのと比べて、以下の違いや制約があります。

料金は小人または幼児料金

料金設定は、バス会社によってまちまちです。大人と同じ料金設定のところもあれば、小学生以下は半額や割引になったり、乳幼児は無料になったりするところもあります。無料で利用する場合は、運行中は大人の膝の上に乗せての乗車になります。

普通乗用車であれば、道路交通法の第71条3の3 により、幼児用補助装置(チャイルドシートなど)の使用が義務付けられています。しかし、夜行バスのような一般旅客自動車は、道路交通法施行令の第26条3の2の3の6 によって対象外です。

ただし、長時間にわたって子供を膝の上に乗せるのは、乳幼児であっても難しいでしょう。そのため、バス会社では料金を払って座席を確保するよう推奨しています。

未成年の子供だけで乗車はNG?

では、子供が単独で夜行バスに乗車するのは可能でしょうか。結論からいえば可能ですが、バス会社によって対応が異なります。

2013年8月以降、夜行バスをはじめとする高速バスは、乗合バスの一種とみなされているため、路線バスと同様、子供だけの乗車も可能です。ただし、利用にあたっては親の同意を必要とするバス会社もあります。特に予約制の路線で顕著です。

同意といっても、予約時に口頭や対面で確認できれば十分なところもある一方で、同意書の提出を求められるところもあります。同意が不要なバス会社でも、夜行バスでは小学生以下に限り、保護者の同伴が必要になるかもしれません。

事前にどのような対応になるのか、バス会社に問い合わせましょう。同意書が必要な場合は、窓口に置いてあったり、Webサイトからダウンロードできたりします。

子供と一緒に乗車するなら「4列ゆったりシート」

子供と一緒に乗車するときは、保護者の目が届いて、すぐに手が伸ばせるところに座らせたいものです。そう考えると、座席同士の間隔が広い3列独立シートは、あまりおすすめできません。

2+1の3列シートや、4列シートのように、ふたつの座席が隣接しているシートがおすすめです。同じ4列でも「ゆったり(のびのび)シート」のように、前後の間隔を広くしたシートであれば、ゆったりと座れます。

ただし、すべての夜行バスが4列シートで運行しているわけではありません。3列シートだけで運行している夜行バスもあります。どの夜行バスが4列シートで運行されているか、バス会社ごとのWebサイトで調べるのは面倒でしょう。

バスブックマークは、シートタイプで高速バスを検索できます。さらに、昼行便か夜行便か選択できるので、目的に合った夜行バスを簡単に見つけられるでしょう。

検索条件の中には「小人料金あり」という選択肢があり、小人料金を設定している夜行バスを絞り込めます。お得に利用したいときに便利です。

なお、4列シートで運行する高速バスの中には、ふたつの座席をひとりで利用できる「ダブルシート」というプランがあります。あくまでも、ひとりで利用できるプランであり、ほとんどの高速バスでは、子供であっても、ふたりでの利用はできません。乳幼児は通常の座席と同じく、膝の上に乗せなければいけないので要注意です。

夜行バス・高速バスに子供が乗車するときの注意点

夜行バスや高速バスに子供と乗車するときは、いくつかの注意点があります。快適に移動できるよう、事前に準備しておきましょう。

ベビーカーに注意

乳幼児の移動には、ベビーカーがあると便利です。ずっと抱っこやおんぶをするよりも、保護者の負担が軽減されます。ただし、バスに乗車している間は折り畳んで保管しなければいけません。ベビーカーは折り畳んでも場所を取ります。

そのため、夜行バスや高速バスを利用するときは、ベビーカーの保管場所があるか、事前に確認しましょう。トランクルームがあれば、乗車前に乗務員が保管して、降車時に受け取れます。

利用したい夜行バスや高速バスに、トランクルームが無い場合は、どのようにすれば良いかバス会社に相談しましょう。車内の荷物置き場に保管できる可能性もあります。

トイレに注意

子供は大人と比べて、トイレを我慢するのが難しく、途中休憩があってもトイレの無い夜行バスや高速バスは避けたほうが無難です。乳幼児であっても、途中でおむつ替えの必要が生じたり、急に具合が悪くなったりしたときのために、トイレがあると安心でしょう。

ただし、ほとんどの夜行バスや高速バスのトイレは広さに限りがあり、走行中は路面の状態によって前後や上下に揺れます。子供がひとりで利用するのは大変かもしれません。できるだけ付き添って、入口で待機してあげましょう。

おむつ替えをするのも適しているとはいえず、揺れたはずみで乳幼児をぶつけたり、落としたりする恐れがあります。あくまでも緊急時のスペースと考えて、事前に済ませるか途中休憩時に立ち寄るトイレで行うのがおすすめです。

座席でおむつ替えをするのは、ほかの乗客に臭いで迷惑をかけてしまいます。

乗り物酔いに注意

子供は大人よりも乗り物酔いしやすく、吐き気を催しても間に合わずに座席を汚すかもしれません。

乗り物酔いを防ぐには、あらかじめ酔い止め薬を飲んでおくのがおすすめです。薬の効き目はもちろん、薬を飲んでいる安心感も得られます。また、睡眠不足や過度な空腹、満腹は乗り物酔いを誘発しやすいので、前日から体調を整えておきましょう。服装はゆったりしているほうが、乗り物酔いを防げます。

乗車中は、進行方向を見据えるのが基本です。目から入る情報が多かったり、下を向いていたりすると酔いやすくなりますから、スマートフォンや携帯ゲームは到着するまで子供から預かっておきましょう。

乗り物酔いをしたときは、シートを倒すと楽になります。窓を開けられるなら、新鮮な空気を吸うのも効果的です。吐き気を我慢できないときは、吐いたほうが楽になります。万が一に備えて、吐しゃ物を受け止める袋を用意しておくと安心です。

お菓子・飲み物に注意

お菓子や飲み物を与えれば、空腹を解消できますし、口にしている間は落ち着かせられます。しかし、与え過ぎは吐き気を催したり、トイレが近くなったりする原因です。こぼして座席を汚す心配もあります。

個包装にしたり、飲み物はストローを使ったりするなど、無理なく飲食できるように、保護者が配慮しましょう。

騒音に注意

そして、子供や乳幼児が夜行バスや高速バスを利用するとき、最もトラブルになりやすいのが「騒音」です。特に夜行バスでは、睡眠の妨げになってしまいます。多くの子供は長時間おとなしくしているのが難しく、旅行という特別な出来事に、ついはしゃいでしまうでしょう。

おとなしくしてもらうには、お気に入りのおもちゃなど、夢中になれるものを持っていくと良いでしょう。途中休憩の際には、外に出て気分転換させたいところです。また、夜行バスであれば、乗車前に体を動かしておくと、眠らせやすくなります。

まとめ

夜行バスは、保護者同伴などの条件つきで子供や乳幼児も乗車できますが、バス会社によって対応が異なるため、事前に確認しておくと安心です。乗車前には、トイレや乗り物酔い、騒音で迷惑をかけないように、対策しておきましょう。