夜行バスにはトイレがある場合とない場合がある!ケース毎に注意点を解説

夜行バスを利用するとき、気になるのがトイレです。長時間の移動になりますし、夜間ですから、必要なときに用を足せないと不安になるでしょう。 この記事では、夜行バスのトイレ事情について詳しく紹介します。


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夜行バスでトイレに行きたくなったらどうすれば良い?

まずは夜行バスの乗車中、トイレに行きたくなったらどうすれば良いのか見てみましょう。

バス車内のトイレを利用する

夜行バスのように、長距離を移動するバスの中には、トイレが設置されているタイプがあります。このタイプのバスに乗車していれば、必要なときにいつでも用を足せるでしょう。

ただし、ほかの乗客が利用しているときは、待たなければいけません。また、夜行バスは睡眠を妨げないように車内を暗くしている場合が多く、トイレまでの移動中、何かにぶつかったり、転んだりするおそれもあります。頻繁に利用するようであれば、トイレの近くにある座席を確保すると良いでしょう。

休憩時間に停車したサービスエリアでトイレに行く

長距離を移動するバスは、国土交通省による「交替運転手の配置基準」によって、概ね2時間運転するごとに、15分以上の休憩を取るよう定められています。

「概ね」とあるのは、高速道路を走っていると停められる場所が限られているため、2時間を過ぎた時点で近くにあるSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)まで走るからです。運転手がふたり以上いる場合も、このタイミングで交代します。

夜行バスでも、運転手が休憩したり、交替したりするときは、乗客も下車して休憩できるのが一般的です。その際にSAやPAにあるトイレを利用できます。

広さがあり、揺れる心配もないので、落ち着いて用を足せるでしょう。数も多いですから、ほとんど待たずに利用できます。また、洗面所が広くて鏡もあるので、歯みがきや洗顔、簡単なメイク直しが可能です。

その代わり、暗い中での移動となれば、特に女性は身の安全が気になるかもしれません。また、バスが停車している場所が分からなくなったり、乗り遅れたりするおそれもあります。

夜行バスは途中で止まれない

どうしても走行中トイレに行きたくなった場合は、運転手に申し出ると可能な範囲で停車してくれるかもしれません。ただし、高速道路を走行しているときは、一般道のように路肩への停車ができないため、途中の停留所や次のSA、PAまで走ることになります。

万が一のことがあって車内を汚してしまうと、周囲やバス会社に迷惑をかけてしまうおそれがあるので、我慢できなくなる前に早めに伝えるようにしましょう。

バス事業者の中には、専用の相談窓口を設け、電話やメールなどで連絡を受けると、運転手に指示してくれるところもあります。運転手に直接伝えるのに抵抗があったり、ほかの乗客に聞かれたくなかったりするときも便利です。

【トイレ付き夜行バス】メリット・デメリット

トイレ付きの夜行バスのほうが、メリットが多く、予約も多そうにも思えますが、バス会社によっては、トイレなしの夜行バスに予約が偏ることもあります。

トイレ付き夜行バスを利用する際のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

トイレ付き夜行バスのメリット

トイレ付きの夜行バスは、SAやPAに停車するまで我慢する必要がなく、いつでもトイレを利用できるというメリットがあります。

休憩時間のタイミングを気にせずに睡眠を取ることができるのもメリットです。

また、乗り物酔いしやすい人にとっては、すぐにトイレに駆け込めるという安心感が得られるでしょう。車内で体調が悪くなる心配がある人は、トイレがあれば不安も軽減できます。

トイレ付き夜行バスのデメリット

トイレ付き夜行バスを利用する場合、乗客の中には車内に漏れる音やにおいが気になるという人も少なくありません。

また、利用する際に、中が狭かったり、用を足しているとき揺れたりするなど、快適に利用しにくいというデメリットがあります。

また、人目が気になってしまい、落ち着いて利用できないという人もいるでしょう。

トイレは基本的に車両にひとつしかないため、誰かがトイレを使っている間は我慢しなければならないのもデメリットのひとつといえます。

【トイレなし夜行バス】移動中のトイレ休憩について

もし、夜行バスにトイレが設置されていないと、どのタイミングで休憩があるのか気になります。一般的な対応状況を見てみましょう。

2~3時間おきにトイレ休憩はある

前述したとおり、国土交通省の基準によって、運転手は2時間運転するごとに15分以上休憩を取るか、別の運転手と交替しなければいけません。そのため、昼夜問わず長距離を移動するバスは、2~3時間おきにトイレ休憩が設定されているはずです。

時刻表や夜行バスを紹介するWebサイトでは、どのタイミングで、どこでトイレ休憩を取るか記載されています。心配であれば事前に確認しておきましょう。

乗車中、トイレに行きたくなる事態を防ぐには、水分の摂取を控えるのがおすすめです。飲むとしても水にしておきましょう。お茶やコーヒー、お酒は排尿を促してしまいます。

乗り物酔いの心配があるなら、乗車前に酔い止めの薬を飲んでおきましょう。空腹よりは軽く食事しておくほうが胃腸の調子を整えられます。

休憩の時間は15分~30分

どれくらいの休憩時間を設けるかは、乗車する夜行バスによって異なりますが、早くて15分、長くても30分です。また、運行に遅れがあるときは予定より短縮して調節する場合もあります。

昼間であれば事前にアナウンスがありますが、夜行バスでは乗客の睡眠を妨げないよう、ボードに表示するのも少なくありません。下りる前に必ず確認しましょう。

通常は15分もあれば、バスからトイレまで移動し、用を足して戻るまで十分な余裕があるはずです。ただし、トイレが混雑している可能性もあるため、速やかに効率良く行動しましょう。

気をつけたいのはバスの停車位置です。利用の多いSAやPAでは、似たような大型バスが並んで停車しており、自分の乗っていたバスがすぐに分かりづらい場合があります。特に夜は暗いのでなおさらです。

トイレ以外にも外に出て気分転換もおすすめ

休憩時間に眠れないのであれば、トイレに行く必要がなくても、外に出て気分転換するのがおすすめです。新鮮な空気を吸えますし、ストレッチして凝り固まった体をほぐせるでしょう。

特に夜行バスは同じ姿勢を長時間維持するので、血行不良になって血栓ができやすくなり、「エコノミー症候群」を引き起こすおそれがあります。それを防ぐためにも、機会があれば体を動かしておきたいところです。

休憩場所が24時間営業の食堂や売店があるところなら、簡単な食事をしたり、ちょっとした買い物ができたりします。ただし、休憩時間は限られているので、乗り遅れないように気をつけましょう。

バスの乗り遅れに注意する

深夜でなければ、SAやPAのトイレは混雑することが多く、休憩時間も短いため、バスに乗り遅れないように注意する必要があります。

また、前述のとおりSAやPAにはたくさんの夜行バスが駐車するため、トイレから戻る際にどのバスに乗ってきたのかわからなくなってしまうことがあります。下車する際には、出発時刻を確認し、停車位置やバスの行き先やナンバーなども覚えて下車すると良いでしょう。

その際、乗車するバスの横のバスを目印にするのは避けましょう。万が一、自分が乗車するバスよりも先に、目印のバスが出発していたり、別のバスが駐車されていたりすると、よりどのバスへ乗車するのか分かりづらくなってしまうためです。

もし乗り遅れてしまった場合、バス会社の予約センターに連絡したり、連絡がつかない場合には家族や友人などに連絡をして迎えに来てもらったりする必要があります。

いずれにしても時間とおりに目的地に到着できないなどのトラブルにつながるため、できれば乗り遅れは避けたいものです。

トイレを我慢できない場合は運転手に伝える

どうしても我慢できない場合、早めに運転手に伝えるようにしましょう。状況にもよりますが、近くのSAやPAに立ち寄ってくれることがあります。

「トイレ付きのバス」と「トイレなしのバス」どっちを選べば良い?

長距離を移動するバスでも、トイレが付いていないタイプは意外と存在します。特に夜行バスは、発車後すぐに睡眠を取って目的地まで目覚めない乗客が多いため、トイレのないバスで運行する便が多めです。

もし両方選べる場合は、どちらにすれば良いのでしょうか。

トイレ付き夜行バスが向いている人

万が一に備えておきたい人はもとより、トイレ付き夜行バスがおすすめなのは次のような人たちです。

普段から頻繁にトイレに行く人

普段からトイレが近い人や頻尿などの症状がある人は、自分のペースで用を足せるトイレ付きの夜行バスを選ぶようにしましょう。

また、乗車前に飲酒する予定がある人は、トイレに行きたくなることが考えられるため、やはりトイレ付きの夜行バスがおすすめです。

ただし、トイレを我慢できない場合を除き、カーブの続く山道など揺れの多い道の走行中は避けるほうが無難でしょう。

体調を崩しやすい人

お腹が冷えやすい人や、乗り物酔いしやすい人など体調に不安がある人は、トイレ付きの夜行バスのほうが安心です。

特に夏場は冷房が効いていることが多いため、お腹が冷えやすい人であればトイレ付きのバスを選ぶようにしましょう。

子どもと一緒に夜行バスを利用する人

子どもはトイレを我慢できないこともあるため、子どもと夜行バスを利用する場合にはトイレ付きの夜行バスを利用すると良いでしょう。

走行中の車内を子どもだけで移動するのはケガなどのおそれがあるため、トイレに行く際は保護者の方が付き添ってあげましょう。

渋滞が予想される時期に夜行バスを利用する人

GWやお盆休み、年末年始といった繁忙期、あるいは台風・豪雪などの悪天候時には、渋滞に巻き込まれ、トイレ休憩までの間隔が長くなるおそれがあるため、車内にトイレがあると安心できます。

バス車内のトイレに不安を感じている人

途中の休憩や目的地に到着するまでトイレを我慢できる場合を除いて、トイレ付きのバスを選ぶほうが安心です。途中で何が起こるか分かりませんし、高速道路を走っていると、すぐに停められるとは限りません。

あえてトイレ付きのバスを選ばない人の中には、清潔さに不安を感じている人もいるでしょう。基本的にトイレは運行前に清掃が行われていますし、運転手が交代制になっていると、休憩中の運転手が定期的に清掃している場合もあります。

また、最近のトイレは音がしても大丈夫なように水の音を流せたり、消臭機能が付いていたりするものもあるので、気兼ねなく利用できるでしょう。もちろん、使った後は次の人が問題なく利用できるよう、汚れを残さないようにするのがマナーです。

トイレなし夜行バスが向いている人

もともとトイレに行く回数が少ない人や休憩時間には車外に出たいという人はもちろん、トイレなし夜行バスがおすすめなのは次のような人たちです。

乗車中は寝たい人

もともとトイレに頻繁に行くことがなく、乗車中はとにかく寝ていたいという人には、トイレなし夜行バスをおすすめします。

揺れる車内で用を足したくない

揺れる車内で用を足したくない人であれば、トイレなし夜行バスを選び、途中のSAやPAで用を足すと良いでしょう。特にカーブの多い道などを利用するコースの場合は、用を足しにくくなるため、ルートなどを確認した上で判断するのもおすすめです。

周囲の目が気になる人

車内のトイレを利用する際には、消灯され、周囲の乗客が寝静まった状況で行動することになります。また、トイレ付近の席の人には、トイレを利用している際の音も少なからず聞こえてしまう可能性があります。

最近では、流水音などで気にならなくなってきたものの、それでも周囲の目が気になる人であれば、車内のトイレを利用しにくいことが考えられるため、トイレなし夜行バスを利用すると良いでしょう。

もしものときのために「トイレ付きのバス」がおすすめ

乗車前からトイレの不安があり、我慢するのが難しいようであれば、無理せずトイレ付きのバスを選びましょう。とはいっても、どのバスにトイレが付いているのか、時刻表では分からない場合もあります。

そんなとき、おすすめしたいのが「バスブックマーク」です。検索画面で「詳しい条件を選択して検索」をクリックして、「トイレ付き」にチェックを入れると、トイレ付きのバスを簡単に見つけられます。

ほかにも「シートタイプ」や「男性専用」「女性専用」などの条件で検索が可能です。

複数の事業者による夜行バスが競合している路線なら、ひとつずつWebサイトを確認するよりも簡単に比較できるでしょう。

まとめ

夜行バスを利用するときは、トイレ付きのバスを選ぶと安心です。トイレがない場合は、途中の休憩でSAやPAのトイレを利用します。それ以外で停車するのは難しいため、不安がある場合は迷わずトイレ付きにしましょう。